痛み

痛みと一口に言っても腰痛、五十肩から腹痛、生理痛など色々な痛みがありますが、今日は不妊治療の採卵による痛みの患者さんが続いたので、痛みについて少し書いてみようと思います。痛いというのは、人の感覚の一部として外部の刺激から防御したり、内部の異常を教えてくれたりする大事なものですが、これは以外とコントロール出来る面もあるのです。痛いというのは、まず傷ついたその時と、炎症が起きてくるその時に引き起こされるものですが、それによる恐れと拒否反応から必要以上に痛みを増幅したり引き延ばしたりしていることが多いのです。痛みに対するそのような緊張状態は局所を乏血状態にする為、始めの段階は良いかもしれませんが、いつまでもそのような状態に置くと治癒が促進されません。また緊張に偏りが出るためバランスそのものの狂いを作り出します。そして、恐れがまた痛くなるだろうという予期をし始め、それほどでもない痛みを大きなものにし続けるのです。これはどんな場合の痛みも似たような反応を示しています。

治療で関与できることは、狂ったバランスを修正すること。そして痛みにたいする恐怖や驚きといった一種のショックが体のどこに入ったか、探り当てそれを流していくことです。ショックが目に見える形で存在する、なんて言っても信用されないかもしれませんが、意識に入ったものは体に反映されます。そして頭に緊張したエネルギーとして留まり続けるのです。意識が体を支配していることは、治療しているとよく実感することです。今日も意識を休ませて開放することで、流れていった痛みがありました。無意識の支配。体の働きは無意識そのもので働いています。

次回は痛みについて知ることになった、野口晴哉について少し触れます。