心の傷は遺伝する

またまた久方ぶりの投稿となりました。
ブログ書いてください、とかなり直接的なお願いをされながら頑張ります、と言い続けてどれほど経つのでしょう。諦めずにこのページを開いて下さった皆さまありがとうございます。
今日はしばらく前に読み終わった”心の傷は遺伝する(マークウォリン著)”で気になっていたトラウマの世代間共有について少し。
自己の見えない歴史を辿る旅、前世療法が癒しのツールになることはこのブログをご覧の方はご存知かと思います。しかし、前世療法が果たして再現性があるものかということになると話はまた別。一つの物語として自分自身の癒しに用いるある種フィクションのリスクを承知で体験する世界です。
そしてそれとは別に先祖の影響というものがあります。こちらはより現実世界に近いものですので受け入れやすいのではないでしょうか。
治療を通して長く気になっていた家系をめぐる先人たちの思念や体質。こちらは遺伝子という現象化された働きがあり、現代ではあらゆる原因を遺伝子に求めて研究されている分野でもあります。例えばアトピーなどのアレルギー疾患は遺伝子レベルの変異が起こり、それが症状となって現れるまで三代遡ると言われています。もちろん遺伝のみではなく起因となる物質の曝露があるわけですが、アレルギーは体質間遺伝の目に見える現象の一つではあります。
しかし、アトピーに限らずとも私達の人生の諸問題に先人たちの経験や祈りが関わっていることを感じる経験を皆さんお持ちではないでしょうか。子供の病や大人になって突然起きる症状、人生の問題。もちろん食べ物や環境、習慣など蓄積されてきたものはあるでしょう。何故今の自分がこうなのか、という問いが生じた時、自分の中だけでは片付けられない心の衝動や欲求に気づくでしょう。

心の傷〜では親戚の中の事故や自殺といったエピソードが遺伝子の変異になり、同じ年頃になって再現されているというエピソードが次々と出てきます。親戚や顔も知らない先祖の経験が、何世代か経て再現されているというものです。それは先祖を調べていくうちに明らかになるものです。
よく先祖の霊が〜とか祟りとか占いなどに行く時言われることもありますが、言い方を変えればそんなものもあるかも知れません。しかし、人の思念というものはもっと強烈で、何かを感じたり思考する度に事物が変化しているという量子力学的な働きをもはや無視は出来ないのです。生きてきた先祖は、戦争で苦しんだり、平和を願いながら死んで行ったり山ほどの思念をこの世に残していることでしょう。それらは集団的なものもあれば、最も個人的な問題もあるわけで、それらを何かの拍子に受け止めて子孫がクリアーすべくこの世に誕生する場合もあるわけです。
上記の本では、そのトラウマの元となる先祖をイメージして問題を引き受けないこと、もしくは片付いていることとして本人に伝えます。もちろん彼らの苦労を肯定していることを伝えるのです。
問題解決のやり方はイメージ療法なのですが、この場合同じ経験をした子孫がその事実を知り、手放すプロセスに意味があるのでしょう。いつもいつも、自分自身を責める必要はないわけです。

家族とは不思議なものです。自分の人間関係の原点であり根本であるので、縁を切ったと思っても解決されないのは諸問題の根っこがそこに帰って行くからです。
おそらくすぐには解決されない問題もあるでしょう。ですが、知るということが案外癒しの根っこにあるようですね。
自身を責める必要もなく、相手を責める必要もない。ただ、それぞれの立場から役割を担っているだけの場合があるようです。

少し触れるつもりがまた長くなってしまいました。どうぞ、このブログの読者の皆様は日々円満なお気持ちで過ごされていることを祈りつつ、、、、。