波動を知るには

いつも忘れてはならないのは、すべてのものに自分は影響を与えているし与えられる関係だということ。あなた自身が波動の存在なのです。
日常の中はなにげない行為に溢れています。それらの行為に光をあて、意識を送り込むこと。
行為に意識が入ることでそこに存在するすべてのものに意識が伝わります。乱暴なドアの締め方だったり、かけ込むように食べる一口のご飯だったり。意識を伝えることはそのものの存在に光をあてて輝かせることです。おそらく、それはティクナットハンの行動する瞑想につながります。
心穏やかに一つ一つの事象と向き合うことで見えて来る世界があります。
治療においては鍼を患者さんに向けた瞬間から治療は始まります。
患者さんは鍼がこちらに向いたことを感じるのです。
接触しているいないに関わらず。
そこには既に繋がりが生まれています。
そうすると、患者さんが治療室に入ってきた時から治療は始まっているともいえるでしょう。
いやいや患者さんがメールで予約をいれてくださった時から始まっているともいえます。
実際、患者さんが予約をいれた瞬間に悩まされていた症状が消えたり軽減したということは良く聞きます。意識が治癒にむかっている時にすでに治療は始まっているのですね。
その点で予約をいれておく意味というのは繋がりをつねに維持していることで、双方に大きな意味があります。
治療というのは1時間くらいベッドで横になり、刺激を受けるマクロな世界ですが、波動の微細な影響力を思うともっとシンプルでミニマムなもので良いはずだと思います。
治療という枠にまったく関係なく私たちの体は常に変化し続けています。
それが、良い方向に向かうことが治癒的であり、人にとって悪い方向に向かうことが悪化であるだけです。判断という物差しをひとまず置いておいて、変化というキーワードだけを持って向き合うことです。
自分の頭のイメージに囚われてしまうと、新しい世界を見せてはくれません。
いかに、思い込みをはずして、変化が起きていることにきづけるか、発見できるか。
治療では自分の思い込みとの戦いです。
信じて、伝えて、ついていく。そうすると、思いもよらないルートでエネルギーが働きかけて、根源が開き出すのです。これが、この方の治り方だったんだと、驚かされるくらいが良い治療です。
自分の力だけでは決してなし得ないこと。それを治療で引き出すこと。
治療はそんな驚きとワクワクで満ちています。
一人の人の人生もそんな風に展開するのではないでしょうか。
さて、波動を知るというお題のわりには話がそれました。
次回にはもう少し方法論的にもっていきたいと思います。