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当治療室では積聚治療（しゃくじゅちりょう）という治療法を用いた鍼灸を行っております。積聚とは腹部全体を指す言葉で、その言葉通り腹診を重視した治療体系となっております。体の冷えやバランスの偏りは腹部に集約され、積（しゃく）となって現れます。しゃくとは癪にさわるという言葉でも使われますが、お腹にでる凝りのようなものと捉えて頂ければ良いでしょう。この積が腹部でどのようにあらわれているか、位置、深さ、大きさで、堅さ、形、それらを良く把握し、治療による緩解を目指します。

治療は基本的に一本の銀鍼で行われます。積聚治療は人体をエネルギーの集合体として捉えており、治療もエネルギーの偏りの調整をすることで冷えや硬縮のゆるみを得るものとなります。その為、鍼は究極的にエネルギーを集約したアンテナのような役割として皮膚にあてて用いております。その刺激は非常に穏やかで、エネルギーが通ることで体が温まりリラックスできる心地よいものです。

もちろん、冷えが深く、なかなか緩まない方も多くいらっしゃいます。その場合は刺入することもありますし、お灸を加えて熱のエネルギーで緩めていく方法もとります。治療については、患者様の理解のもとに、動きを共に感じて頂くことが大事なことと考えています。その都度、何をやるか、痛みはどのように変化しているか、緩んでいるか、確認しながら治療を進め参ります。