鍼と皮膚をつなぐただ一ヶ所の接点。ここにエネルギーを集中させるだけなのです。
その一㍉ににも満たない様な点が、全身の気を動かすこと信じられますか?
そして、その一点は感覚野で確実に感じ取り、脳内を刺激してとてつもないリラックス感を生み出します。
一点にあたえられたエネルギーはその細胞が感知し、周囲に伝えます。伝言ゲームのようにどんどん広がり、全身が動き始めるのです。
この方法を試したとき、夢でも見ているのかと思いました。
患者さん自身がどんどん動かしてくれるので、私があれこれいじくり回さずとも体が深く緩むようになりました。治療時間は短くなり、使用するつぼ数は減ります。
皮膚のなんと賢いこと!!
情報を読み取り伝達して、汗をだして代謝して、皮膚の質自体も変化しながら内臓まで伝わっている。一体この万能ぶりをなんとたたえたら良いのか!
積聚治療のテキストでは根源という言葉が良く出てきますが、根源とつながる感覚は底知れぬパワーが動きだし、双方にとって気持ちの良いもので、ハートがオープンになります。
ただ、よく目覚めていないと集中しきれないので、自分をよく緩め、心の整頓をし、仮想空間にはまらぬよう(ネットや映画に夢中にならないよう。。)術者の状況は大事。
治療室が肯定的なエネルギーに満ちた空間となっていますように。
月別アーカイブ: 2017年6月
波動を知るには
いつも忘れてはならないのは、すべてのものに自分は影響を与えているし与えられる関係だということ。あなた自身が波動の存在なのです。
日常の中はなにげない行為に溢れています。それらの行為に光をあて、意識を送り込むこと。
行為に意識が入ることでそこに存在するすべてのものに意識が伝わります。乱暴なドアの締め方だったり、かけ込むように食べる一口のご飯だったり。意識を伝えることはそのものの存在に光をあてて輝かせることです。おそらく、それはティクナットハンの行動する瞑想につながります。
心穏やかに一つ一つの事象と向き合うことで見えて来る世界があります。
治療においては鍼を患者さんに向けた瞬間から治療は始まります。
患者さんは鍼がこちらに向いたことを感じるのです。
接触しているいないに関わらず。
そこには既に繋がりが生まれています。
そうすると、患者さんが治療室に入ってきた時から治療は始まっているともいえるでしょう。
いやいや患者さんがメールで予約をいれてくださった時から始まっているともいえます。
実際、患者さんが予約をいれた瞬間に悩まされていた症状が消えたり軽減したということは良く聞きます。意識が治癒にむかっている時にすでに治療は始まっているのですね。
その点で予約をいれておく意味というのは繋がりをつねに維持していることで、双方に大きな意味があります。
治療というのは1時間くらいベッドで横になり、刺激を受けるマクロな世界ですが、波動の微細な影響力を思うともっとシンプルでミニマムなもので良いはずだと思います。
治療という枠にまったく関係なく私たちの体は常に変化し続けています。
それが、良い方向に向かうことが治癒的であり、人にとって悪い方向に向かうことが悪化であるだけです。判断という物差しをひとまず置いておいて、変化というキーワードだけを持って向き合うことです。
自分の頭のイメージに囚われてしまうと、新しい世界を見せてはくれません。
いかに、思い込みをはずして、変化が起きていることにきづけるか、発見できるか。
治療では自分の思い込みとの戦いです。
信じて、伝えて、ついていく。そうすると、思いもよらないルートでエネルギーが働きかけて、根源が開き出すのです。これが、この方の治り方だったんだと、驚かされるくらいが良い治療です。
自分の力だけでは決してなし得ないこと。それを治療で引き出すこと。
治療はそんな驚きとワクワクで満ちています。
一人の人の人生もそんな風に展開するのではないでしょうか。
さて、波動を知るというお題のわりには話がそれました。
次回にはもう少し方法論的にもっていきたいと思います。