月別アーカイブ: 2015年10月

体感への憧憬

ヒンメリをご存知でしょうか?
フィンランドの麦わらで作るモビールで、幾何学的な立体造形を糸で繋ぎ合わせて作ります。
これは立体化したフォルメンだと、これ以上ないほどのはまり様で朝に晩にと暇さえあれば麦わらを手にしている日々を過ごしていました。
(今は写真が手元にないのですが、いずれ掲載しますね。)
雑誌に載ったヒンメリを見て初めて知ったのですが反響がもの凄いらしく、ヒンメリ第一人者のおおくぼともこさんのサイトの藁の在庫は品切れだとか。
立体の力を必要としているのは私だけではないのだと知ることで、世の中で立体の力が必要とされていることをきっかけに色々と考えさせられました。
紙の上で書くフォルメンは2次元ですが、感情や思考にアプローチされる感覚があります。しかし空間に作り出す3次元の立法体は体に直接響いて来て、空間の認知の中でより分かりやすいものになるのだとわかります。
オイリュトミーは動くフォルメンと以前も書きましたが、オイリュトミーに限らず、宇宙エネルギーにアプローチするものは数々生み出されてきました。ヨガや太極拳、各種舞踊、武道、人は宇宙エネルギーと密接に繋がることを志向してきたことがこれらの歴史を俯瞰するとわかります。
空間で浮かぶヒンメリは平面(視覚=外界)と体(体感)をつなぐ中間に存在しています。
ヒンメリの力が世に求められているということは、行く行くはもっと体の動きを伴った体感するものを志向する前触れでしょう。
今はテレビやパソコン、ゲームなど平面と脳で営む世界が生活のキャパを大きく占めるようになりました。
しかし、そのお陰で人は体と宇宙をつなぐエネルギーの取り込み方を忘れ、様々な障害が出ています。
体と宇宙への回帰が起きているのです。
女性雑誌には曼荼羅塗り絵の特集があり、書店に行けば大人の塗り絵の本が並んでいます。平面にアプローチすることがブームとなり、ヒンメリが出てきて立体化されてきています。
会社で今まで行われてきたランチミーテイングは、今は一歩進んでウオーキングミーテングなるものがあるそうです。

人が体から離れる程に”形”への渇望があり、様々な方法で空間の認知を取り戻そうとするようです。

では空間を認識することと体の認識はどうつながるのでしょう。
空間に形を作り出すこと、線を追って空間を作り出すことは自らの生命エネルギーが引き出されて行われていることだと思われます。
線を書くこと、空間をつくることは自らのエネルギーの延長線であり、そこに残した軌跡が分身のように認識されるのではないでしょうら?
結果としてエネルギーが外へ引き出され、自分が広がります。ゆがんだエネルギーは正しい線、調和をとれた線を目指すことで矯正されます。
ゆがみを直し、開かれ、外のエネルギーと交流することになるのです。

ケプラーは宇宙は直線と曲線で出来ていると言ったそうです。
人間の表現するあらゆるフォルムの美しさはまさにエネルギーの動きの表現であり、調和に叶ったものだけが、永遠に残りいつまでも力を生み出し続けるのでしょう。
私たちはエネルギーの調和を崩さないで生きているか?というと決してそんなことはありません。でも、こうしてフォルムに触れて鍛錬し、芸術といわれる様々な人間活動によって刺激を受けエネルギーをもらいつつ生きることは出来ます。
私の治療もエネルギーを整え損なうこと無く美しいものでありたいと願うばかりです。

猫療法なるもの

随分ご無沙汰してしまいました。
久しぶりのブログ更新です。
ブログはしばしば書きたいと思って書き始めるのですが、大概下書きのまま保管され、次に開いた時には気分が変わって、というより思考が発展して別の捉え方をしているので別のテーマを持ち出し、と延々と繰り返していると何件かの下書きがたまる一方になってしまいました。
これはホームページの気の滞りだと、ちょっと気をとりなおして今日は優しい(易しいともいう)ことを書きます。

家では良く自分の子供に治療をするのですが、その時にいつも寄ってくるものがいます。
なんでしょうか。
猫です。
我が家の猫はラーメン屋の裏で生まれた子猫を猫ボランテアが引き取って、そこからもらってきた正真正銘の野良猫出身ですが、気位の高さは猫界でもトップクラス(と思われる)。
子供達がちやほやするし、私も悪さをしてもほとんど怒らずに育てたので、お姫様かなにか勘違いしているのでは、、、と思える節があります。
それでも、猫の言う通りに人間が合わせるようにしているので(どうしても出来ない時は懇々と話して聞かせる)、猫との通じ合い率はかなり高まってきているようです。
猫は気を察知して動く生き物ですから、猫との交流は相手の気の読み合い。
猫の治療は手をあてて気を送るだけ。
気が通ってくると体がのびてのびてグニャグニャになって軟体動物のようになりますが、もう充分となると勝手に手を外して寝てしまいます。
猫は普段一人でお留守番をしてくれているので(大部分の時間は昼寝ですが)、気を通すと胸につまりがあり、寂しかったことがしばしば読み取れます。猫は気まぐれな寂しがりやなのです。
気が欲しい時はみずから膝に乗り込んでくるなどは、こどもと一緒ですね。
で、こどもの治療の時の猫ですが、気の集散を感じるのかどこからかたちまちやって来てうろうろしだします。
先日はお腹を冷やしていたいという息子に、猫自らお腹にくっついて腹痛を取り除く快挙がありました。さすがに疲れるのか息子の腹痛をとったあとはぐったりしてしまいました。
患者さんと話したことで思い出しますが、犬も飼い主の悪いところをなめたり、ぴったりくっついて癌を取り除いたりすることがあるそうです。
私も先日めずらしくお腹が痛いことがあり、早速猫療法を試してみたところ短時間で見事に腹痛が取れてしまいました。

猫程に気の出し入れが習性として楽に出来ると治療家としてももう一皮むけるのですがねえ。
動物と違い人間には自我がある為に様々な理性を働かせて行動が複雑になり、交流する気を押しとどめる一つの要因となります。
治療で後頭部を施術するのは自我の調整です。自我が強すぎたり弱すぎたり、自我が上手く実現されていない人はとても多いのです。
しかし、自我があることで私たちは宇宙的進化を志向することが出来るのです。
猫に学びつつ、自我をうまく回していく、魂的生活を大事にしたいものです。
で、猫療法ですが猫にとって人間の邪気は相当きついもののようですので、猫的視点からはあまりおすすめしません。といいつつも、全ては猫の気が向いた時にしか実現しないものなのですがね。