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癌の謎

今日は癌についてボチボチと。
癌の患者さんを診ることもたまにあります。
癌はとても不思議な病気です。
その人の性格、仕事、食生活、遺伝など経験全てを網羅するような現れ方をします。
社会生活を送っているご本人の裏面とでも言いましょうか、体の裏社会みたいな存在ですね。
寺山心一さんをご存知でしょうか?
寺山さんは抗がん剤や手術といった標準治療の結果、末期癌と診断され病院でできる事はもう無いとのことで自宅療養となりました。
そこから弱った体で実践できる食事療法や日の出を見るなどの日々で、癌に愛のエネルギーを送るようになります。
その結果、体力が劇的に回復し、癌もかなり縮小しました。その後フィンドホーンに招かれ講演して帰国後、癌は完全に消えていたそうです。
先日、カルチャーセンターの講座でお話しを聞く機会に恵まれましたが、何より印象的だったのは、自らの喜びを喜びと感じ、湧き上がるようなハートのエネルギーの大きさでした。
話の合間に、感動した時の話をされるだけでニコニコこちらまで嬉しくなるような笑みに、こちらのハートが解されて、日々の喜びや感動、そして感謝がいかに大切か、まさに身を持って伝えられた気がしました。
寺山さんは癌に愛を送る、と言われます。
癌は自分が生み出した分身、今まで無視し続けた影の面であると。

そして、最近知人から勧められて読んだ本。
”がんが自然に治る生き方”ケリー・ターナー著
余命宣告を受けながら劇的な寛解に至った1000人もの症例を研究して、彼らが回復の為に行ってきた数多くの実践のうち、9つの共通する事項を導き出して解説しています。
ここに寺山翁も出てくるのですが、9つの事項のうち2つが食事に関することで、残り7つが瞑想や生き方を見直すといった魂や感情に働きかけるものだったそうです。
感情が体に変化を起こす上でいかに重要なものかがよくわかります。
体を変える上で食事を見直し、サプリやハーブで代謝を上げるのは体の土台となる道路整備に似ています。
その上で車がぶつからないようにスムーズに走ったり交通渋滞を起こさないでいるのは感情や魂でしょう。
魂というとわかりにくくなるかもしれませんが、なぜ生きるのか?いかに生きるか?という人生のモチベーションに触れる部分でしょうか。
そうしたことを自分の中で明確にすることで、自分の中の大いなるエネルギーと繋がりやすくなり、治療において自らを導く羅針盤のようなものになるのでしょう。
末期癌になると食事もほとんど取れなくなりますが、まさにそういう時の感情のエネルギーの影響の大きさは計り知れません。
人間がいかにエネルギーの影響を受けて暮らし、自らエネルギーを回して生きているか、経験するのが癌の病との付き合い方の一つなのかもしれません。

頭の治療

今日は刻々と変わる(変えてるつもりの)日々の治療について。
当院では積聚治療を掲げておりますが、積聚はあくまでも気をベースにした治療。全てのエネルギーの大本である根源に根差した治療を目指す方法です。
その為に根源をうまく調整できた場合は触れないところまでが変化し、体のエンジンが入ったような状態になります。
実に大まかな表現ですみませんが、これは受けてみないとわからない感覚かもしれません。
体が軽く、気持ちも前向きに、何か心身の一体感が生まれて世界が明るく見えてくる。
こんな状態が、根源の気が動いた時起きる変化です。
それをさらに大きく揺り動かす方法、最近それでしばしば触っているのが頭部です。
元々オステオパシーに興味があり、頭蓋調整に手を出してみたりしました。
やっていくうちに気づいたのは、頭蓋は現代人にとって非常に大きなエネルギーを集め、同時に冷えを生み出す場となっているのです。
頭蓋を触れることで冷えが勝手に走り出してしまう、大量の冷えが下に急激に降りる事は危険です。
その変化を極力抑えて調整可能なのが手技ではなく、鍼でした。
それも、刺さない鍼。当院では子供鍼というところの”ていしん”です。
今の時点では主に側頭骨の緊張を緩める事で、肝胆系の流れを調整することができます。
なぜ側頭骨なのかというと、現代人の油の取り過ぎ、スマホの画面の見過ぎによる視覚疲労、ブルーライトの熱の鬱滞が側頭部に出ています。
当院では美容鍼も行っていますが、美容鍼と合わせて頭部を緩める気持ちよさは美容を超えて全身に影響を及ぼすので美容の効果を超えた結果を出しています。今後は頭鍼治療としてやっていくかもしれませんが、美容も楽しいですよね。
しかし、やはり土台となる体幹が積聚でしっかり動いてから、というところにさらなる効果の発現があるのでしょう。
頭蓋治療はとても効果があるのですが、頭部に気を集めずに治療をすることが必要な方もいます。
あくまでも、治療は患者さん一人一人のオーダーメイドで、刺激量も、質もみんな異なるのが基本です。

心の傷は遺伝する

またまた久方ぶりの投稿となりました。
ブログ書いてください、とかなり直接的なお願いをされながら頑張ります、と言い続けてどれほど経つのでしょう。諦めずにこのページを開いて下さった皆さまありがとうございます。
今日はしばらく前に読み終わった”心の傷は遺伝する(マークウォリン著)”で気になっていたトラウマの世代間共有について少し。
自己の見えない歴史を辿る旅、前世療法が癒しのツールになることはこのブログをご覧の方はご存知かと思います。しかし、前世療法が果たして再現性があるものかということになると話はまた別。一つの物語として自分自身の癒しに用いるある種フィクションのリスクを承知で体験する世界です。
そしてそれとは別に先祖の影響というものがあります。こちらはより現実世界に近いものですので受け入れやすいのではないでしょうか。
治療を通して長く気になっていた家系をめぐる先人たちの思念や体質。こちらは遺伝子という現象化された働きがあり、現代ではあらゆる原因を遺伝子に求めて研究されている分野でもあります。例えばアトピーなどのアレルギー疾患は遺伝子レベルの変異が起こり、それが症状となって現れるまで三代遡ると言われています。もちろん遺伝のみではなく起因となる物質の曝露があるわけですが、アレルギーは体質間遺伝の目に見える現象の一つではあります。
しかし、アトピーに限らずとも私達の人生の諸問題に先人たちの経験や祈りが関わっていることを感じる経験を皆さんお持ちではないでしょうか。子供の病や大人になって突然起きる症状、人生の問題。もちろん食べ物や環境、習慣など蓄積されてきたものはあるでしょう。何故今の自分がこうなのか、という問いが生じた時、自分の中だけでは片付けられない心の衝動や欲求に気づくでしょう。

心の傷〜では親戚の中の事故や自殺といったエピソードが遺伝子の変異になり、同じ年頃になって再現されているというエピソードが次々と出てきます。親戚や顔も知らない先祖の経験が、何世代か経て再現されているというものです。それは先祖を調べていくうちに明らかになるものです。
よく先祖の霊が〜とか祟りとか占いなどに行く時言われることもありますが、言い方を変えればそんなものもあるかも知れません。しかし、人の思念というものはもっと強烈で、何かを感じたり思考する度に事物が変化しているという量子力学的な働きをもはや無視は出来ないのです。生きてきた先祖は、戦争で苦しんだり、平和を願いながら死んで行ったり山ほどの思念をこの世に残していることでしょう。それらは集団的なものもあれば、最も個人的な問題もあるわけで、それらを何かの拍子に受け止めて子孫がクリアーすべくこの世に誕生する場合もあるわけです。
上記の本では、そのトラウマの元となる先祖をイメージして問題を引き受けないこと、もしくは片付いていることとして本人に伝えます。もちろん彼らの苦労を肯定していることを伝えるのです。
問題解決のやり方はイメージ療法なのですが、この場合同じ経験をした子孫がその事実を知り、手放すプロセスに意味があるのでしょう。いつもいつも、自分自身を責める必要はないわけです。

家族とは不思議なものです。自分の人間関係の原点であり根本であるので、縁を切ったと思っても解決されないのは諸問題の根っこがそこに帰って行くからです。
おそらくすぐには解決されない問題もあるでしょう。ですが、知るということが案外癒しの根っこにあるようですね。
自身を責める必要もなく、相手を責める必要もない。ただ、それぞれの立場から役割を担っているだけの場合があるようです。

少し触れるつもりがまた長くなってしまいました。どうぞ、このブログの読者の皆様は日々円満なお気持ちで過ごされていることを祈りつつ、、、、。

膝について

こんにちは。最近は暑い日が続くようになってきました。
冷たいものを取りすぎたのか、最近膝の問題が出る人がちらほらいるのでここで説明を。
なぜ、冷たいものを取りすぎると膝に影響が?と思うのは、読んでいってのお楽しみ。

膝が悪くなる方は年齢と共に増えてきますが、若い人で多いのはオスグッドでしょうか。でも老いも若きも同じような見方で膝痛は対処できます。
膝のポイントは股関節と足関節という2大関節をつなぐ中継点であるということです。
股関節のバランスが崩れても、足関節のバランスが悪くても膝に影響が出てきます。
股関節の場合は単独でバランスを崩すことはありません。
多くは骨盤をつなぐ仙腸関節のバランスと臀筋の引っ張りが影響します。
腰椎の状態も仙腸関節は関係してきますし、腰椎の影響は頸椎とも、ひいては頭蓋の緊張も骨盤に影響を及ぼしています。
足関節も、外くるぶし、内くるぶしのバランスが偏ると膝の負担が大きくなります。
足関節のバランスをそのまま股関節に伝えずに膝で偏りを戻そうとする為です。
膝の内側の関節のあたりがきつくなっていたり、外側の大腿筋膜張筋の張りが強すぎていたり。
膝を見ていると、建築構造を見ているようで、なかなか原因探しは面白いものです。

さて、構造の話も面白いのですが、その中を流れるエネルギーの話に進みます。
構造はもちろんベースとなりますが、その事前の動きはエネルギーの変化として出ています。
その構造に問題が無い場合、もしくはさらなる問題として、膝には胃の冷えという隠された病症があるのです。
膝といっても膝頭ですね。膝蓋骨をめぐる問題の話です。
内膝など場所が変われば別の病症を考えます。
膝頭は胃の経絡がめぐる部位であり、胃の冷え、代謝の悪さは膝のむくみや冷えとして病状を表しています。
胃の経絡は足関節前面まで足の脛を通っていく為、脛の硬さ、足関節の硬さ全体が胃の病症となります。
足関節の状態は特に踏み込む時に膝と同様に負荷をかけている為、膝と足関節は対応関係にあります。
関節面は特に動きの負荷がかかる場所ではありますが、使わなかったり、動きが単調で一面でしか使えてなかったりすると、冷えを溜め込む場所です。
その冷えがたまると、冷たい、むくむ、ぶよぶよしてスッキリした形をしていない、などの状態を呈してきます。
その時点では痛くもなんともありません。
その冷えが極まった時、炎症が起きます。
炎症が起きると途端に痛みを感じ始めます。その前にすでに冷えは着々と進行していたのです。
バランスが戻されて冷えが改善されると炎症が収まります。
炎症が治ると純粋な冷えの症状が戻ってきます。
炎症が起きる前の状態です。
回復は時計を巻き戻すが如し、で回復の過程は悪化していくときの逆の道を辿るのです。

久方振りに

ブログの更新です。
パソコンをついに買い換えました。予約状況も更新できて何よりです。どぞご活用ください。
近いうちに、予約可能なシステムを入れたいのですが、過去にはお金も手間も必要とされていたものですが、今は簡単に
導入する方法があるようです。これが出来れば、ダブルブッキングとか記入漏れとか。。あれやらこれやらが大分スムーズになるはず、、、なんです。

さて久しぶりのブログですが、何を書こうと思うと書きたいのはやはり波動のこと。
波長がその人自身を作っているということです。
最近の治療は患者さん自身の波動をとにかく観察してつなげて広げていくという手法をとっているのですが、
その方がずうっと治療効果が高いのです。
何より、その人自身の波動であることが一番無理がなく広がって行く。
私はひたすらつなげて行くだけです。
何も起きていないというイメージは自分の意識が作っているだけのイメージで、それを知ってか知らずか体は必ずその刺激を受け取り何かを起こしています。
ただ、そのイメージを私が見ることでそれを共振、増幅させている効果があるのです。
人とともにいることって、大事なことなんですね。
人間を開かせ、振動させているんですね。
だから、negativeなことはだめ。共振、増幅に必要なことは共に感じ合い、響きあうこと。
どこまでも相手について行くことです。
自然数って、0は無いし、マイナスもない。プラスのものしか存在しないです。
だから、肯定して積極であればあるほどい、現象を大きくするのは、これ自然エネルギーのことわりなんですね。
治療をしていると、それが全て思考が生み出していることを知ります。
患者さんの身体の動きは常に積極で、ポジティブなものしかないのです。
冷えているから動かないだろうとか、薬飲んでるから動きが悪いとか、理由づけは一杯したくなりますが、何かをすれば何かを起こすのが身体なのです。
何もないのは、見ていないということ。
そんなことを肝に命じて、治療しています。

明けましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
このホームページを開いたのは随分久しぶりの気がしましたが、やはり前回は10月でした。訪問して下さった方、申し訳ありません。

新年明けの本日は昨秋からの脳ブームの延長で、ズバリ!積聚治療は脳の調整である!と副題を定めたいと思います。
結局(いきなり結果から入ってしまいますが)治療で一番大事なのは相手にどれほどのアプローチが出来ているか知ることです。
自分本位で全力で一生懸命やって結果が良いのはビギナーズラックといいます。
プロは自分がやっていることがどれほどの影響を及ぼしているか全て把握していなければなりません。このつぼを選んで、どれほどの刺激を入れるとこうなるということをある程度予測して治療するのです。
でも、治療者も未熟ですから、常に体に触れてその変化を確認しているわけです。
その影響力を推し量る物差しとなるものは、ズバリ!(古い!)相手の感受性です。
感受性とは皮膚の感受性です。個人によってまったく異なります。もっとも鋭敏なのは赤ちゃん、そして幼児、と若い程に触れずとも感じる驚異的感覚を持つのですが、冷えが深くなるほど感覚は落ちていきます。では老人が一番感受性が落ちているのか、というと必ずしもそうではありません。あくまでも、その個人の体質や生き方によって全く異なるものなのです。感受性とは皮膚と脳をつなぐ回路です。受けた刺激をどれほどのものとして脳が受けとめているのか、その入力器です。
感受性が落ちている人は、脳への響きが少なく、一つの刺激にたいする影響がわずかなものとなります。感受性が高い人程、一つの刺激で様々な現象を体中に起こすことができます。それは、脳が様々な分野に信号を送れている状況です。これは脳の活性化状態では一目瞭然です。体が固く変化を起こしにくい人は脳の反応も悪いということなのです。
同様に思考も固く、発展性のある考え方が出来ないでしょう。
治療はその相手の感受性=脳レベルに応じた刺激でなければ変化を引き出せません。
変化をおこすのはあくまでも、刺激を捉えた脳が指令を出すからです。

エネルギー治療をやっていますが、鍼を深く刺入することでやっと届く冷えのレベルというものもあります。おそらく本人の意識下にはけっして上がってこないような深いレベルに冷えを押し込めているのです。こういう深い冷えがその人の根本原因だったりします。
同じように深いレベルにある冷えでも、表層の皮膚刺激で簡単に捉えられる場合もあります。これは、その人の意識が深くまで繋がっている場合です。
いずれも、その人が脳をいかに自由に広く扱えているか、ということが治療結果と大いに関わるのです。
ですから、治療を重ねることで多彩な刺激が脳に入り活性化するので、感受性は高まります。思考も柔軟になり治療を受けると若返るのはまさにそういう状態なのです。
もちろん、ボケの防止にもなります。
感受性を高めるポイントは微弱な刺激であること。
感受性は人により異なるのですから、その人のレベルでの微弱刺激です。
つねに微弱であること、安心できる刺激であることで、感覚に耳をすまし、刺激をすんなり受け入れることが出来ます。
刺激に耳をすませることで、今まで使われなかった感覚領域にめざめるのです。

強い刺激を求めることは、常に自分をその刺激に立ち向かわせ対立させる関係を作り上げます。度重なる対立は炎症を生み出します。炎症が体のどこに現れるかはその人の体質によって様々です。西洋医学の薬も、基本的には症状を抑える薬ですので、対立させているものです。

刺激はあくまでも自分の一部のようであること。それが脳領域を活性化させる鍵となります。感覚の落ちている人には落ちている人のレベルで、感覚の鋭い人にはその高さのレベルで。常に相手の変化に注意することがその感度をしる手がかりとなります。
皮膚は露出した脳、といいますが、その脳の働きのレベルと刺激のレベルで相手の治療の受け入れ方が変わり治療効果に断然なる影響を及ぼします。
そういう点において、全ては同じ積聚治療でありながらも一つとして同じ治療はないのです。さらには同じ人においても脳の状況は日々変わります。忙しい日々だったり、怒ったあとだったり、恋をして高揚していたり、と実にめまぐるしく変わるのが人の脳です。それらの脳の状況に対して刺激がうまく伝わるように体を読みながら治療をしているのが日々皆さんが受けている治療なのです。
そんな完全オーダーメイドの治療ですから、皆さんしゃちこばらずに今年も自由に治療に来て体にお話させてくださいね。

脳の可塑性

最近は脳ブームがじわじわと来ています。私の中で。

なぜ、脳なのかというと、脳への働きかけはあらゆる問題の根本的解決に直結し、そのアプローチが外科的侵襲ではなく、皮膚への接触、光、音、身体動作などにより解決可能だからなのです。
日頃診ている患者さん達。ダウン症、自閉症、リウマチ、うつ。。。
脳へのもっと効率的なアプローチが鍵になると思っています。

今までは脳は一度機能を失ったら回復しないものと思われていましたが、最近では別のニュウーロンを刺激、訓練することで新たな領域を開拓し、新しい脳マップを作り直すという脳の可塑性が判明しています。
驚いたことにその可塑性は生まれもって脳の一部が萎縮していたり欠けていたり、機能だけではなく形態の問題である場合も、従来考えられていたものよりも大幅な回復が可能であるということなのです。
そこまで大きな問題ではなくとも、普段向き合っている患者さんたちの問題、婦人科疾患やうつ、肩や膝などの身体機能的問題、自己免疫疾患など、治療していく過程で脳へのフィードバックがされていることを考えると結果的に、脳の可塑性による回復であると見ることが出来ます。

脳の中で使われていないニューロンを新たに刺激し、再構成し直すという作業はあることにつながります。
そう、思考です。ニューロンを刺激しないということは思い癖につながります。
私たちは年をとるとともに一方向にしかものを考えられなくなりますが、体はまさに自らの思考によって病に囚われている状態なのです。
だから体をゆるめると思考がかわり、感情にも影響を及ぼし、行動に変化を生み出します。
その反対もまたありです。思考が病をつくるとはオカルト扱いされがちな考えですが、まさに思考とはニューロンへの入力であり体の動作を決めているヒトの主体性なのです。
それがヒトにあたえられた自由とパワーですね。

さて、体への刺激は今自分の一分野となっていますが、動作から脳への入力、音、光はいかにも魅力的な分野です。
動作は合気道やオイリュトミーをやっていて感じていたこともあってまさに我が意を得たりの思いです。フォルメンなど描くことで脳へのアプローチもあるでしょう。
音、光で治療する分野もありますが、今後取り込んでいくことも可能でしょう。
しかし、思うことはこれらは日常生活で常に接している刺激です。
常にこれらの刺激を洪水のように受け、思い癖を直さずに生活している中で、本人の意識と正しいアプローチの導きがあれば直していけるということです。
病は病院で治すもの、の時代は変わりつつあるのかもしれません。

一点をつなげる

鍼と皮膚をつなぐただ一ヶ所の接点。ここにエネルギーを集中させるだけなのです。
その一㍉ににも満たない様な点が、全身の気を動かすこと信じられますか?
そして、その一点は感覚野で確実に感じ取り、脳内を刺激してとてつもないリラックス感を生み出します。
一点にあたえられたエネルギーはその細胞が感知し、周囲に伝えます。伝言ゲームのようにどんどん広がり、全身が動き始めるのです。
この方法を試したとき、夢でも見ているのかと思いました。
患者さん自身がどんどん動かしてくれるので、私があれこれいじくり回さずとも体が深く緩むようになりました。治療時間は短くなり、使用するつぼ数は減ります。
皮膚のなんと賢いこと!!
情報を読み取り伝達して、汗をだして代謝して、皮膚の質自体も変化しながら内臓まで伝わっている。一体この万能ぶりをなんとたたえたら良いのか!
積聚治療のテキストでは根源という言葉が良く出てきますが、根源とつながる感覚は底知れぬパワーが動きだし、双方にとって気持ちの良いもので、ハートがオープンになります。
ただ、よく目覚めていないと集中しきれないので、自分をよく緩め、心の整頓をし、仮想空間にはまらぬよう(ネットや映画に夢中にならないよう。。)術者の状況は大事。
治療室が肯定的なエネルギーに満ちた空間となっていますように。

波動を知るには

いつも忘れてはならないのは、すべてのものに自分は影響を与えているし与えられる関係だということ。あなた自身が波動の存在なのです。
日常の中はなにげない行為に溢れています。それらの行為に光をあて、意識を送り込むこと。
行為に意識が入ることでそこに存在するすべてのものに意識が伝わります。乱暴なドアの締め方だったり、かけ込むように食べる一口のご飯だったり。意識を伝えることはそのものの存在に光をあてて輝かせることです。おそらく、それはティクナットハンの行動する瞑想につながります。
心穏やかに一つ一つの事象と向き合うことで見えて来る世界があります。
治療においては鍼を患者さんに向けた瞬間から治療は始まります。
患者さんは鍼がこちらに向いたことを感じるのです。
接触しているいないに関わらず。
そこには既に繋がりが生まれています。
そうすると、患者さんが治療室に入ってきた時から治療は始まっているともいえるでしょう。
いやいや患者さんがメールで予約をいれてくださった時から始まっているともいえます。
実際、患者さんが予約をいれた瞬間に悩まされていた症状が消えたり軽減したということは良く聞きます。意識が治癒にむかっている時にすでに治療は始まっているのですね。
その点で予約をいれておく意味というのは繋がりをつねに維持していることで、双方に大きな意味があります。
治療というのは1時間くらいベッドで横になり、刺激を受けるマクロな世界ですが、波動の微細な影響力を思うともっとシンプルでミニマムなもので良いはずだと思います。
治療という枠にまったく関係なく私たちの体は常に変化し続けています。
それが、良い方向に向かうことが治癒的であり、人にとって悪い方向に向かうことが悪化であるだけです。判断という物差しをひとまず置いておいて、変化というキーワードだけを持って向き合うことです。
自分の頭のイメージに囚われてしまうと、新しい世界を見せてはくれません。
いかに、思い込みをはずして、変化が起きていることにきづけるか、発見できるか。
治療では自分の思い込みとの戦いです。
信じて、伝えて、ついていく。そうすると、思いもよらないルートでエネルギーが働きかけて、根源が開き出すのです。これが、この方の治り方だったんだと、驚かされるくらいが良い治療です。
自分の力だけでは決してなし得ないこと。それを治療で引き出すこと。
治療はそんな驚きとワクワクで満ちています。
一人の人の人生もそんな風に展開するのではないでしょうか。
さて、波動を知るというお題のわりには話がそれました。
次回にはもう少し方法論的にもっていきたいと思います。

ホメオパシーとアロパシー2

ホメオパシーがアプローチしているものは何か?
前回の問いから始めてみましょう。
ホメオパシーは波動医学と言われています。
レメデイ−を作るとき、その物質のもつ成分を限りなく希釈震盪しダイナミック化します。ダイナミック化とはまさに波動を転写しその動きを震盪によって大きな働きを持つものとして展開させていくことです。

”以前にはきづかれていなかった潜在的なエネルギーを、すなわち、眠っていたかのようにそのなかに隠されていたダイナミックなエネルギーを発揮させる”(医術のオルガノン㌻337より)

そうして、取り込まれた波動が一番に影響を与えるものはなんでしょう?

”あらゆる病気において、とりわけすぐに発症する(急性の)病気においては、改善や悪化の始まりはわずかなものであり、誰でも気づけるものとはかぎらない。その始まりを知らせる数ある徴候の中で最も確実でわかりやすいのが、患者の心理状態やすべてのふるまいである。改善の始まりがどれほどささいなものであっても、それが始まれば患者は、だんだんくつろいだ状態になり、一段と気持ちが落ち着き、精神的に自由で、よりいっそう元気になる。しかし、悪化が始まると、それがどんなにささいであっても、改善の場合とは正反対の状態になる。つまり感情や精神も、すべてのふるまいや態度も、姿勢や格好も、自由が奪われてぎこちなく、よりいっそう哀れみを感じさせる状態になる。”(医術のオルガノン㌻325より)

この好転悪化の動きは鍼灸とまさに同様のものです。
人が良くなるとき、それが何によるものであれ、同じ動きを見せることがよくわかります。
そして、波動がまっさきに影響を明らかにするのは患者さんの感情面であり、体の使い方に出るとあるのは、如何に感情が波動の影響を受けているかわかることだと思います。
体の使い方というのは、波動が体の筋肉や骨格にまで一気に影響を与えた結果とも捉えることはできますが、即効性の面では感情面の解放によって心身の統合が容易になった結果といえると思います。

ホメオパシーでは病気とは私たちの生命が感覚と機能において(精神のような)ダイナミックな仕方でかく乱すること、つまり私たちの健康状態が非物質的な仕方でかく乱すること、これ以外であるということはありえない、といいます。
その自然本性もダイナミックで精神のようなものである為に、病気の原因は感覚で識別できるものではないと。
病そのものが精神的なダイナミックエネルギーであり、治療する手段もそのようなものになるのですね。
さらに付け加えておくと、慢性病の原因はソーラマヤズムとしています。
このマヤズムの考え方はホメオパシー独自のものであり、世代を超えて現れる綿々と先祖から受け継がれてきたその人が生まれながらに持つものとされています。
治療していると、もともと持って来た体質とどうしても直面することになります。
アトピーや精神病気質などはまさにそれを感じさせます。
私もまだまだマヤズムについては学びが足りないのですが、前世療法もその一部に組み込まれるかなとも思いますし、波動治療である積聚もその意識のあて方で充分に改善可能であることを思うと、治癒の可能性を多いに広げてくれる分野であると思っています。

さてさて欲張ってマヤズムにまで言及してしまいました。
ホメオパシーについては面白い本が沢山あるので、今後もおそらく取り上げる回が出て来るとは思いますが、今日はこのへんで。